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奈良教育大学名誉教授・奥田喜八郎先生による「奈良県英語ゼミナール 第7号」 発売中!
奈良教育大学名誉教授・奥田喜八郎先生による
「奈良県英語ゼミナール 第7号」 発売中! 奈良教育大学名誉教授・奥田喜八郎先生のゼミナールに対応した、小冊子の第7号が発売になりました。
英語教育活動について論じられていますので、ぜひお買い求めください。 <著者のことば> 英語の好きな一般の読者の皆さんへ 恩師 矢野 峰人博士から、その昔、「英語の語彙は3つの要素から成り立っている」という研究課題を頂いた。それは、(1) "sense"であり、(2) "sound"であり、そして(3) "form"であ る、という難問であった。 その後、奥田は、『どのようにして英語という言語が造られて来たのか』に興味を抱き始め、個人的に、東大教授 葛西 義徳「西洋古典学」研究室客員として、ギリシャ語・ラテン語のご指導を受ける幸運に恵まれた。さらに、個人的に、京大教授 河崎 靖「ゲルマン語基語」に関するお話を伺う機会に接した。「ゲルマン語基語」は、わずか4ヶ月という短機会であったが、多くの学恩を得た。 理由は、上記の「3つの要素」というのが、基本的に「音節の内部構造」であることに気づいたからである。つまり、英語の音節 (Syllable)にも、3つの要素から成り立っているからであ る。それは、(1)「頭子音(Onset)」、(2)「核(Nucleus)」、そして(3)「尾子音(Coda)」であるからである。面白い。 日本における「小学校英語活動」や、「中学校英語教育」に使用する英単語は、子どもの時に初めて習得する「母語(mother tongue)」、すなわち、それは、イギリスの子どもたちにとって、「祖語」といわれているものである。たとえば、『マザー・グースの童謡集(Mother Goose's Nursery rhymes)』が、イギリスの家庭内における言語教材として、今も昔も人気の衰えない、生きた言語習得テキストであるからだ。'Hickory, Dickory, Dock'という題のわらべ唄がある。 Hickory, dickory, dock, The mouse ran up the clock. The clock struck one, The mouse ran down, Hickory, dickory, dock. 英語の音節の基本型はCVCの閉音節であるが、頭子音にも尾子音にも複数の子音がくることができる、という。しかし、いくつ並んでもよいわけではなく、その数は頭子音も尾子音も3つまでとなっている、といい、また、3つの場合でもどんな子音が3つ並んでもよいのではない、という。そのよい例は、上記の「わらべ唄」の中に、過去形の動詞struckである。見ると、頭子音は3つ並んでいる。川越いつえ説によると、初めの子音(C1)は必ず/s/で、次の子音(C2)は/p, t, k/のどれかで、その次(C3)は/l, r, j, w/のどれかであると決まっている、という。なぜそうなのか、については、拙文『奈良県英語ゼミナール』に紹介するつもりである。 注:CVCという/C/とは、「子音 (consonant)」の略字 (C)であり、/V/というのは、「母音 (vowel)」の略字(V)である。 ゆえに、頭子音は、(1)「CV...」、(2)「CCV...」、そして(3)「CCCV...」の、3種類となる。たとえば、 例(1)は、/hi.../ /di.../ /do.../ であり、/mou.../ /ra.../ /dow.../である。 例(2)は、/clo.../ である。 例(3)は、/stru.../である。 注:母音 (vowel)には、(1)「短母音 (short vowel)」、(2)「長母音 (long vowel)」、それに(3)「二重母音 (diphthong)」などがある。 奥田の目標は、子どもたちが『英和辞典』を見なくても、英文が自然に正しく正確に読めることである。話すことである。 以上 |
公開日/2014年11月25日
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