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奈良教育大学名誉教授・奥田喜八郎先生による「奈良県英語ゼミナール 第6号」 発売中!
奈良教育大学名誉教授・奥田喜八郎先生による
「奈良県英語ゼミナール 第6号」 発売中! 奈良教育大学名誉教授・奥田喜八郎先生のゼミナールに対応した、小冊子の第6号が発売になりました。
英語教育活動について論じられていますので、ぜひお買い求めください。 <著者のことば> 英語に興味を抱く読者の皆さんへ 英語だけをどんなに勉強しても、社会に役立つ英語力は身につきません。「英語という言語能力を習得すると、自ずから英語力は自然に身につきます」というのが、奥田の提言です。そのために、いわば、Etymology(語源論)の習得が必要不可欠です。たとえば、英単語の名詞challengeという語は、ご存知のように、 [from Middle English chalenge, from Old French , from Latin calumnia, trickery, false accusation; see CALUMNY.] からの借入語であるのです。原義は「ペテン・ごまかし・詐欺・策略」です。すなわち、ラテン語calumniaが、古フランス語chalenge (accusation)を経て、中英語に入った言語です。 注意:ここにいうcalumnyという語は、 [from Middle English calumnie, from Old French calomnie, from Latin calumnia, from calve, to deceive.] からの借入語です。原義は「(人から)(de)物を取る(ceive)」です。これもまた、ラテン語calveから、古フランス語calomnieを経て、中英語に入った言語です。 動詞challengeという語は、 [from Middle English chalengen, from Old French chalangier, from Latin calumniari, from caluminia, trick.] からの借入語です。原義は「欺く」です。すなわち、ラテン語calumniaから、古フランス語chalangierを経て、中英語に入った言語です。 英語では始め「非難」の意味で用いられ、のちに「物事の説明」を求め、「争いや競技」に呼び出す、「挑戦する」の意味が生じたのです。がしかし、現在の「挑戦する」という意味のなかに、原義の「欺く」が息づいているというのが、奥田説です。 これが、いわゆる、Etymology(語源学)という学問です。これが、別のEtymology(品詞論)に繋がっていくのです。 日本語の「チャレンジする」は、「エベレストにチャレンジする」とか、「太平洋横断にチャレンジする」というように、成し遂げるのに困難を伴うことに挑むことをいうのであるが、しかし、この意味では英語のchallengeは、あくまでも人間だけを対象としていて、決して自然や物事を目的語としないことに注視しよう。たとえば、 He challenged the champion to fight again. という風に使います。この英文の基底に潜んでいる、「非難する者」が、「騙す者」は、目的語のthe championの方であって、チャンピオンが主語「He」に向かって、「やれるものなら、かかってこい」と揶揄するのです。非難された主語「He」が、「チャンピオンにもう1度闘いをいどんだ」という意味となるのです。別に、 He dared me to drink it. という構文と比べてください。こちらの方は、「飲めるものなら飲んでごらんと彼は僕に言った」という意味となるのです。面白いですね。 この他にも、英語には類義語がたくさんあります。たとえば、形容詞happyとgladという類義語を使い分けることができますか。あなたは、「初対面の人」に、"I'm glad to meet you."と語りかけますか。 形容詞kindとniceという類義語を使い分けられますか。beautifulとprettyはどうですか。 handsomeとgood-lookingはいかがですか。freeとfreelyはどうですか。bigとlargeはいかかですか。 「かれは寝言をいう。」という場合、あなたは、sayを使いますか。tellを用いますか。speakですか、talkですか。 以上のように、英語には、たくさんの類義語があります。まず、皆さんは、この類義語から、Etymologyを踏まえて習得すべきです。理由は、これが、必ず、「社会に役立つ英語能力」につながるからです。 以上 |
公開日/2014年09月01日
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