啓林堂書店 メールマガジン
2010-09-01
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第6号 2010. 9. 1
啓林堂書店 http://www.books-keirindo.co.jp
「官報」に携わって ~私の7ヶ月間奮闘記~

皆さんは、「官報」という新聞をご存知だろうか。私は今年の2月から「官報」に関する仕事に携わり始めたが、それまではその存在すら知らなくて、知人にも「官報」の仕事をしていると言うと、「へえ~、啓林堂さんも手広くなったんやねえ、でもなんでまたカンポウを?」と不思議そうに聞き返す人と同じで、カンポウ=漢方と結び付けてしまうそんな人だった。
「官報」とは、法令、条約、法令に基づき掲載される告示、官庁報告、叙位・叙勲などを一般に周知、公布する目的で発行する国の機関紙のこと。独立行政法人「国立印刷局」が編集、製造し、日刊(土・日・祝日・年末年始は休刊)で全国に発行されている。その官報販売所は、各都道府県の県庁所在地に一つで(愛知県だけ2ヶ所)、奈良県では弊社のみ。歴史は古く、中国の玄宗皇帝時代(8世紀中ごろ)の「邸報」が始まりで、その後宋の時代に復活され、「朝報」と題して5日ごとに発行したのが世界最初の官報らしい。日本では明治15年に山縣有朋によって提出された建議に基づき、明治16年7月2日に創刊されたのが始まりだそうだ。ちなみに現在の「官報」の題字は、当時の太政大臣、三条実美の筆によるもの。
「官報」には、本紙・号外・政府調達公告版・目録・国会本会議議事録があり、本紙・号外・政府調達公告版はほぼ毎日ある。ページ数だが、本紙は32ページと決まっていて、号外の発行はたいていは複数分冊で、1分冊は最大64ページと決まっている。その数種類を組み合わせて、定期購読されている奈良県内の官公庁や企業など87ヶ所に配送・配達の準備をするのが私の役目。毎回決まった数しか到着しないので、間違いは許されず、最後に1冊余ったり足りなかったりすると、組み間違いを探すのにひと苦労。いかに間違わず、もし万が一間違ったとしても途中の工程でそれを早く発見する方法を得るようになるまで4~5ヶ月かかった。慣れてきた今でも、最後に数がピタッと合うとホッとする。
さて、毎日この作業をしながら中身を読む時間もなく、内容も私達主婦一般にとってはあまりなじみのないものであるが、この紙面を書くにあたり参考までにちょっとのぞいてみたら、7月27日付けの本紙を見て驚いた。失踪宣告がのっていて、生年月日が明治・大正・昭和に混じって、天保7年、元治元年、弘化3年、嘉永5年、文化11年とある。「いつの時代!?」と目を疑い、なんでこんな大昔の人を探すのかと不思議に思っていたら、最近の100歳以上の高齢者の所在不明問題。東大阪市の最高齢者は幕末の文久元年(1861年)生まれの149歳だとか。なぜか「官報」が身近に感じられ親近感がわいてきた。県内から弊社に寄せられる公告掲載の依頼も多く、受付業務を扱っているHさんの仕事も責任重大で大変であるが、Hさんと共に、県内で唯一の官報販売所であるという誇りをもって、これからも励もうと思う。
◆おはなし会のお知らせ◆
●奈良三条店 | 9月12日(日) 14:00~ |
●西大寺店 | 9月18日(土) 14:00~ |
●奈良ビブレ店 | 9月19日(日) 14:00~ |
●奈良店 | 9月25日(土) 14:00~ |

◆今月の私の1冊◆
『迷いを去る 百八の智慧』 山田法胤著
(講談社)
2009年8月に薬師寺管主に就任された著者の、新たなる道を歩む決意を示すひとつとして書かれた本書。仏教だけではなく、万葉集から「いろはにほへと」まで、ユーモアを交えながらわかりやすい語り口で書かれている。内容は深く、特に奈良県民にはオススメ。講演会でお話も伺ったが、説得力があり、この本とご縁をいただいたことに心から感謝したい。
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■『総合百科事典ポプラディア』【予約受付中!】 |
全12巻(50音順本編11巻・索引編1巻) |
【ポプラ社】 セット価格:本体98,000円(税別) |
2011年1月に刊行予定。24500項目に、オールカラーの図版や写真がたっぷり掲載され、「調べ学習」にも役立つ情報が満載。 |
◆お詫びと訂正
前回配信いたしました啓林堂書店メールマガジン増刊号の「SAVVY10月号キャンペーン実施のお知らせ!」に間違いがありました。 ここに訂正させていただきますと同時に深くお詫び申し上げます。***以下、訂正内容***********
誤:「遊仲川」
正:「遊中川」
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Chat&Chat
ポプラ社から約10年ぶりに百科事典が刊行される。インターネットの普及により、図書館で本を開いて調べる時代はもう古いと言われるかもしれないが、苦労して調べた学習こそ、自分のものとしてしっかり頭に入る。全国の35000校で採用されているポプラディアに対する期待と信頼は厚い。 子ども達の論理的思考能力を高めるために大いに活用してもらいたい。「辛抱こそ人生の宝なり」という山田法胤管主の言葉にも通じると思う。(MH)啓林堂書店のメールマガジンに登録されたメールアドレスの変更はできません。
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