12月号 2025.12.1
啓林堂書店 https://books-keirindo.co.jp/
「ひと目で解きたくなる」数学の問題集、待望の続編が登場!
今回ご紹介する本は「新・解きたくなる数学」(岩波書店)。前作「解きたくなる数学」に引き続き、「ピタゴラスイッチ」制作メンバーによる、好奇心を刺激する新作25問が収録されている。
冒頭一つ目の問題。バナナをはかったら300g、りんごをはかったら200g、でもバナナとりんごをいっしょにはかったら、合計600g…?
矛盾する合計数。こちらの問題はバナナとりんごの本当の重さがそれぞれ何gになるかを問う。
本書の表紙を飾っている領収書の写真も、収録されている問題の一つである。
買ったカツサンドは72個。ところが領収証が汚れて数字の一部が読めなくなってしまい…では、実際に領収証に書かれていた金額は一体いくらだったのか?
登場する問題は、一体どうするの? どうしたらいいの? と、いずれもこちらの頭を悩ませるものではあるが、学校で習った数学をこんな風に使えばいいんだ! こうやって役立てるのか! と実感できるため、純粋に問題を解くことを楽しめる。
紹介されている次のページに問題の解説と答えが載っているのだが、すぐにページをめくってしまうのが惜しく、分からないけれどもうちょっと考えてみよう、もう少し粘ってみよう…と何度も思わされた。
なお、問題の難易度がページ右端にレベルで表示されているので、問題を解く際の目安にしてみて欲しい。ちなみに最高難易度はimpossible(不可能)である。
数式や方程式を使用しないタイプの問題も登場している。
8×5粒の板チョコ。二人で交互に溝に沿って割っていき、チョコレート一粒を最初に取った人が勝ち、というシンプルなゲームだ。必ず勝つためには先手と後手、どちらを選び、どんな割り方をすればよいだろうか?
なお、本書にはこのようなゲームの必勝法を問う問題が他にも登場している。ぜひ、本書の楽しい写真とグラフィックを堪能しながら、問題に挑戦してみて欲しい。
また、本編ではないところにも要注目だ。私は指摘されるまで全く気づいていなかったのだが、ある問題のページの写真、端の方に写り込んでいる動物が、次の答えのページを見てみると…?
問題を解く喜び、驚きと発見を何度も味わえる本。誰かと相談しながら問題にチャレンジするのもおすすめだ。良書。
「なぜ野菜売り場は入り口にあるのか スーパーマーケットで経済がわかる」
【朝日新聞出版】
白鳥和生/著
夕方から夜にかけて、少し遅い時間にスーパーへ足を運ぶと、お惣菜やおにぎりなどに半額シールが貼られていることがある。値引シールの貼られる時間を狙って買い物をしたことがある方もおそらく多いと思うのだが、この値引シールはどんなタイミングで貼られているか、皆さんご存知だろうか?
本書では、スーパーを通して、少子高齢化、人口減少、地球温暖化、食品ロス削減などのさまざまな課題を読み解いていく。
未来のスーパーマーケットが果たすべき課題解決の方向性とは・・・? ぜひご一読を。
≪今月の担当≫ 商品部 部長・郡山店 店長 佐藤篤志
とうとうこの時がきた。
兆しがなかったわけではない。気にしないように、考えないように日々を過ごしていたが、とうとう現実を直視するときがやってきた。
その日は仕事が休みで、夕方近くまで家でごろごろしながら退屈を満喫していた。そういえば、買ったまま読まずにいた本のことを思い出し、本棚に無造作に置かれた小説を手に取った。最近話題のSF小説で、冒頭から引き込まれた。夕暮れ時の薄暗い部屋で文字が霞む。部屋の明かりをつけても、どうも焦点が合わない。――とうとう老眼になったらしい。
今度から、大きい文字の小説か、虫眼鏡付きの読書セットでも探そうと思う。
少し難しい本を読んでみよう! そう思い立って購入したものの、早くも積読コーナー行きになった本がまた1冊。いえ、まだあきらめたわけではありません。まだ時が熟していないだけ――
◆外商部おすすめの児童書・奈良本のご紹介◆
啓林堂書店ホームページ・外商部ページ( https://books-keirindo.co.jp/gaisyoubu/ )にて、更新中の「外商部おすすめの奈良本」「おすすめ児童書」をご紹介!
おすすめ児童書
『どうぶつたちのおひっこし ~どうやってはこぶのかな?~』
【福音館書店】
平山暉彦/作
表紙に描かれている動物たちを遠くの動物園までどうやって運ぶのでしょうか?
首の長いキリンは? 大人10人分の重さのアシカは? 臆病なコアラは?
飼育係の人たちがいろいろな工夫をし、動物の性格や習性、心地よい環境を考えて運びます。
普段見ることのできない仕事の様子や動物それぞれの個性を見て取れて、純粋な驚きに出会えます。
外商部おすすめの奈良本
『花も団子も 春呼ぶ和菓子と奈良の町』【マイクロマガジン社】いのうええい/著、うごんば/絵12月22日発売予定
奈良の古びた和菓子屋『ことこと庵』を預かる新米和菓子職人の紺野旭(こんの・あさひ)には「天敵」がいる。それは店主兼和菓子作りの師匠の有楽(ゆうらく)という妖(あやかし)だ。店を放ってほっつき歩くこの天敵はたまに帰ってくると、弟子が必死で作った菓子を勝手に「面白い(が謎の)和菓子」に作り変えたり――。古より伝わる和菓子を愛する人と妖の凸凹バディが、ぶつかり合いながらも店を訪れる悩めるお客さんの心を優しくほどいていく。しかし、そんな二人にはお互いが知らない、決して知られてはならない「秘密」があった。
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