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日常生活の様々な問題は、脳から解決できる? 2022.7.1

6月号 2022.7.1
啓林堂書店 https://books-keirindo.co.jp/

日常生活の様々な問題は、脳から解決できる?

  人にはそれぞれ、得意なことと苦手なことがある。

 勉強や部活動、習い事、趣味などを通して、私たちは様々な経験を積むことになる。褒められたり、自信をつけたことは何度もチャレンジするし、あまり評価を得られず、自信を持てないことは避けるようになる。その結果、よく使われる脳の部位とそうでない部位ができ、よく使う脳の部位はどんどん強化されていく・・・そんな脳のアンバランスさが私たちの個性となっているようだ。

 

 今回ご紹介する本は『イラスト図解 脳とココロのしくみ入門』(朝日新聞出版)。

 面倒なことをついつい先送りにしてしまうのはなぜ? マルチタスクがこなせない! など、私たちが日常で遭遇する様々な問題や疑問を、本書は脳科学の視点からひも解く。

 

 大脳で特定の領域が特定の役割を担当するという考えを「脳機能局在論」という。著者はこの考えをもとに、脳のさまざまな概念をわかりやすく伝えるため「脳番地」という言葉を用いて説明する。

 日常でよく使われる脳番地を、思考系、感情系、伝達系、理解系、運動系、聴覚系、視覚系、記憶系の8つに分け、それぞれの働きから日常の疑問を解説していく。少し例を上げてみる。

 

 お腹は空いていないのについ手が伸びて・・・空腹ではないはずなのに、おやつを食べてしまった! こんな経験が皆さんにもあるのではないだろうか。

 これは一つのことを考えてイライラしていたり、長時間座りっぱなしになっているときに起きる現象。脳の覚醒が落ちると、脳は何か違うこと、特に運動系を使いたくなるのだそうだ。この時使う筋肉に注意。口だと「食べる」という行為になってしまう。これがお腹は空いていないのに、食べてしまう理由だ。伸びをしてみたり、ストレッチしてみたり。できれば意識的に口ではなく、体の違うところを動かすように注意したいものだ。

 

 どうして地図が読めないのか? 地図を見ていても目的地にたどりつけない・・・心あたりのある方もいらっしゃるのではないだろうか。 地図は視覚系と記憶系の脳番地を使うそう。映像記憶が必要とされるのだが・・・ポイントは方向ではなく方角にある。

 どうやら地図を読むのが苦手な人と、得意な人では見ている視点が違うようだ。詳細はぜひ本書でご確認を。

 

 他にもマウンティングしてくる人、だれかれ構わず怒る人・・・など、周りで見かける困った人の行動の謎にも迫る。脳の動きが、ココロの動きを作っているのがよくわかる。

 人間の脳にはまだ解明されていないことがたくさんあるため、いち仮説ではあるが、大変興味深い内容だった。おすすめ!

<今月の私の一冊>

世界はフムフムで満ちている 達人観察図鑑

【ちくま文庫】

金井真紀/著

 出会ったその道の達人たちに話を聞くこと100人。2ページ構成のコラムは常にさらっとした言葉でつづられているにも関わらず、達人たちの生きざまが自然体でしっかりとつかまれているのが分かる。

 どんな職業の方にもフラットに接する著者。フムフムと素直に耳を傾けている様子は文章からも想像でき、その人柄がうかがえる。

 私が特に興味深かったのは古書店店主の話だ。本を届けるという仕事が古本屋の立場ならではの視点で語られている。少しどきどきしながら、ならば本屋はどうだろうかと考えてしまった。

 その道の達人たちを見つめる著者の目は、常に尊敬のまなざしできらきらと輝いている。人の数だけ、その道の達人がいた。

ミニコラム「私と本」

≪今月の担当≫ 外商部 社員 上田輝美

 先日TVをみていた時に覚えた違和感。設定は奇抜だけれど、展開は王道のハートフルストーリー。こんな設定よく思いつくなと、頭を空にして楽しんでいたのだが――結末がしっくりこない。話の狙いはわかるのだ。が、何かがかみ合っていない気がする。オリジナル脚本かと思いきや、どうやら原作本があるらしい…気づいてみると好奇心の赴くまま、書店へと足を運んでいた。

 原作を確認して驚いた。結末が違う! 設定のおかしさを全面に押し出しつつも、あくまで王道は崩さない原作に対し、ドラマの方は変にひねりを効かせてしまったのだろうか。元は王道を際立たせるための奇抜さだったはずが、モヤモヤだけが残る結末に変わってしまったらしい。

 ドラマになって面白くなった原作本もたくさんあるが、今回ばかりは原作を読んで下さい! と叫びたくなってしまった。

Chat&Chat

 さいきん寝つきが悪いです。急に暑くなったせいなのか、はたまた夜更かしして読んだ本で興奮してしまったせいなのか…真相は闇の中。

◆外商部おすすめの児童書・奈良本のご紹介◆

啓林堂書店ホームページ・外商部ページ( https://books-keirindo.co.jp/gaisyoubu/ )にて、
更新中の「外商部おすすめの奈良本」「おすすめ児童書」をご紹介!

おすすめ児童書

アリのメアリ

【BL出版】

いわたまいこ/作

 大雨の日生まれたうさぎがいました。なぜかこの子が泣くと雨が降るんです。
 かぜをひいて遠足に行けなくなってしまったうさぎ。ともだちは雨が降るんじゃないかと心配します。晴れてくれるかな~。
 うさぎたちは困ったりうれしかったり、表情豊かでこちらも思わずにっこりします。

外商部おすすめの奈良本

聖徳太子 「和のこころ」の真実』 
【産経新聞大阪本社】
産経新聞取材班/著
7月12日発売予定

 聖徳太子没後1400年の御遠忌に当たる令和3年から4年、産経新聞(大阪本社)は「和をつなぐ 聖徳太子1400年」と題し隠れた実像に迫った。

 本書は、その連載記事と新たな取材を基に、加筆・豊富な写真やデータを駆使して再編集。

 本書を手に取っていただければ、聖徳太子を再発見し、日本の精神性の源流を再認識していただけると確信している。

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