10月号 2024.10.1
啓林堂書店 https://books-keirindo.co.jp/
何かを明らかにするのに、一つの方法や取り組みだけでうまくいく方が珍しい、とは著者の言葉。ライブ感あふれる、しっぽ学研究の一端に触れて、ぜひ、その魅力を感じてみて欲しい。植物たちのしたたかさを感じられる面白い本が発売された。
今回ご紹介するのは「タネまく動物 体長150センチメートルのクマから1センチメートルのワラジムシまで」(文一総合出版)。専門的な用語も登場するが、親しみやすい動物たちの可愛いイラスト、詳細説明が興味をそそられる内容だ。自分の意思で自由に移動できない植物たちは、一体どのようにして広く自分たちのタネをまいているのだろうか。
多くの植物にとって、タネは大切な子孫であると同時に移動するための手段でもある。中には自らの力でタネまきを行う植物もいるが、多くの植物はタネをまくのに自然や動物の力を利用している。
例えば、風の力を使ってタネを飛ばすのはタンポポ。皆さんもご存知の通り、綿毛にタネがついており、春にはたくさんのタネが綿毛と共に風にのって遠くまで飛んでいく。
ココナッツの果実ができることで知られるココヤシのタネは海流を巧みに利用する。ココヤシの実が水に浮かびやすい構造をしているため、波にのってタネが遠方まで運ばれていく仕組みだ。
本書では「種子散布」の主流、動物の力を使ってタネをまく「動物散布」の方法について特に詳しく解説がされている。
「動物散布」の中で一番よく知られた方法が、タネ周りをおいしい果肉でおおい、動物に食べ物を提供する代わりにタネを運んでもらう「被食散布」という方法だ。これは動物の体内に入ったタネが動物と共に移動し、やがてフンに混じったタネが地面で芽吹くという仕組み。動物の移動範囲にかなり影響を受ける散布方法でもある。
だが、中にはタネを食べてしまう動物もいる。大事なタネを食べられてしまっては植物が困るのではないかと思うのだが、食べられてしまうタネは動物への報酬として割り切り、食べ忘れられたタネなどによってタネまきを成功させる「貯食散布」という方法をとる植物もいる。あちこちに分散して保存しておいたものの忘れられてしまった一部のタネ、大事に取っておいたものの事情があってやむなく食べるのを諦めてしまったタネ・・・大事な食べ物の保管場所をうっかり忘れてしまうなんてあるのだろうか? と思ってしまったが、動物の方にも色々と事情はあるらしい。意外な面白いエピソードが多数紹介されている。
なお、あまり多くはないが「付着散布」という方法もある。動物が気づかないうちに、動物が移動する場所へ勝手にタネがくっついていく方法だ。いわばタダ乗り。これは動物にメリットがない方法である。
意外にも、ナメクジやカタツムリのように、タネより体の小さい生き物が運ぶタネもある。一体どうやって? と興味を持たれた方。ぜひ本書を確認してみて欲しい。
動物散布を知ると、目に見えない隠れた生き物同士のつながりが見えてきて面白い。動物と植物の密接な関係を知ることができる一冊。
近年、電話を受けるのもかけるのも怖いという人が増えている。ひどければ身体症状に動悸や息切れ、震えなどが出てしまい、それが理由で離職にまで繋がってしまう事例もあるようだ。
かつては日常のコミュニケーションツールとして欠かせなかった電話。だが、昨今はメールやLINEなど、文字を主体とする連絡手段がメインとなり、その様子は様変わりしている。現代を取り巻く環境、コミュニケーションの変化などに注目しながら、なぜ電話を苦手だと感じる人が増えているのかを分析し、現代における電話の意義について、また苦手意識のある人に向けて対応方法についても言及する。
電話に苦手意識のある方必見! まずは焦らず、本書に紹介されている対応策を少しずつ実践していくことをおすすめする。
≪今月の担当≫ 生駒店 店長 渡部大輔
私の父は本が好きだった。
若いころから集めたという本が部屋の本棚にぎゅうぎゅうにつめられていた。
いつか時間が出来たらここの本をゆっくり読みたいと言っていたのを覚えている。
10年ほど前にその父が亡くなり集めた本は、床が抜けるかもしれないという理由でほとんどが処分されてしまった。
空っぽになった本棚には今私の本が少しずつ埋まりつつある。
わずかに残った父の本と私の本、いつか時間が出来たらゆっくり読みたいものである。
朝晩ようやく涼しくなってきました。昼間はまだ暑い日もありますが、快適な読書タイムが確保できるようになって嬉しいです。
◆外商部おすすめの児童書・奈良本のご紹介◆
啓林堂書店ホームページ・外商部ページ( https://books-keirindo.co.jp/gaisyoubu/ )にて、
更新中の「外商部おすすめの奈良本」「おすすめ児童書」をご紹介!
今日は動物園の身長測定です。ゴリラ先生が測りま~す。みんな上手に測れるでしょうか。
最初はウサギ。すると、耳をぴん! 耳の分は身長に入りません。残念・・・40センチです。
では、背の高いキリンはどうやって測るのでしょう。コウモリやコアラは?
実際に上野動物園で取材したときの話も最後にのっています。
さまざまな事象・名産・物産・地理等の観点から、都道府県それぞれの地域の特色を比較しながら解説している「47都道府県百科」シリーズは、多くの学校図書館や公共図書館に郷土資料としてご愛蔵いただいており、その刊行点数は40冊近くを数える好評シリーズです。この度「それぞれの都道府県ごとにまとめたものも欲しい!」というご要望にお応えし、それぞれの地域の個性が再発見できる「ご当地文化百科」シリーズを刊行します。本巻では古代の遺跡が数多く残る奈良県について、歴史・食・営み・風景という分野に分けて、その地ならではの地域色豊かな伝統的話題について興味深く解説しています。
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