4月号 2023.4.3啓林堂書店 https://books-keirindo.co.jp/
今回ご紹介するのは、「あした話したくなる おもわずびっくり身近な科学」(朝日新聞出版)。次の日誰かに話したくなる、をコンセプトにした「あした話したくなる」シリーズの新刊だ。
「電子レンジに卵を入れると爆発する」「三毛猫はほとんどがメス」など、紹介されているのはどこかで聞いたことのある話。だが、興味をそそられる題材でも、理論が難しかったりしてわかりやすく説明するのは意外と難しい。
本書はそんな身近な科学の話を、やさしい説明で解説してくれている。
本書に登場する話を少し紹介してみたい。
電化製品などを買った時、商品の保護ケースになっていたり、梱包材として使われることも多い発泡スチロール。身近な素材だが、発泡スチロールはマニキュアを落とすのに使う除光液を塗ると、溶けてしまう性質を持っている。
発泡スチロールは合成樹脂でプラスチックの仲間。なぜ発泡スチロールが溶けてしまうのかというと、除光液に含まれるアセトンには油や樹脂などいろんなものを溶かす性質があるからなのだそう。
アセトンの含まれていない除光液もあるので、もし実験をしてみるのならアセトンが入っているかを確認の上、チャレンジしてみて欲しい。ただしアセトンには毒性があるので、部屋の換気はくれぐれも忘れずに。
理科の実験でもおなじみの磁石。磁石にゼムクリップを近づけるとくっつく、というのは皆さんもご存知だと思うが、では、ゼムクリップをつけたまま磁石を熱するとどうなるかは、ご存知だろうか?
実は、熱してしばらくするとクリップは磁石から落ちてしまう。磁石は熱すると磁力が弱くなる性質があるからだ。なお、強力な磁石として有名なネオジム磁石は、普通の磁石よりもさらに熱に弱いようだ。少し意外。
なお、冷やすと再び磁力は戻るが、すべての磁力がなくなるまで熱してしまうと、冷やしても戻らなくなってしまう点に注意が必要。
他にも、「電池がないときは10円玉と1円玉と塩水と紙で電気をおこせる」の章では、手作り電池で電池のしくみが理解できる。また、トンネルを掘る方法の参考にしたフナクイムシの話や、長い間謎が解明されていなかったなぜ氷がすべるのか、などの原理にも本書は迫っている。氷がマイナス100℃ですべらなくなると私は今回初めて知ったのだが、人間の目に見えない世界で面白いことが起きているな、と興味をひかれた。
章末に掲載されているコラムにも注目。中でも「びっくり!ギネス世界記録」シリーズのコラムがおすすめだ。
「フラフープをひとりで回す最大本数」や「世界一寒さに強い昆虫がたえられる温度」などは、予想をはるかに上回る答えが載っていて驚いた。
巻末の「科学のクイズ32」にもぜひ挑戦してみて欲しい。悩む問題が多数登場している。
身近な科学に好奇心をくすぐられる。実際実験してみたくなる話も多数登場しているので、ぜひチェックしてみて欲しい。おすすめ。
「日本人が知らない世界の祝祭日事典」
【淡交社】 斗鬼正一/著
祝祭日とは、国や地域の行政機関が重要な人物などを記念し制定した祝日と、宗教に関わる行事・地域の歴史的出来事などにまつわる祭日を合わせた総称である。
世界の多くの国において、新年は祝祭日になっているが、その祝い方は様々。国によっては3月や4月に祝う国もあるのだとか。なお、一時期成人式が荒れると、よくニュースになっていた成人の日だが、世界を見渡すしてみると、大人になるために過酷な試練を強いられるところもあるようだ。ライオンと戦って無事でいられる気がしない。
有名なものから個性的な祝祭日まで。世界の様々な国々・地域の文化や歴史、価値観などにぜひ触れてみて欲しい。
≪今月の担当≫ 奈良店 店長 中村 潔
本の楽しみ方は人それぞれ、内容はもちろんだが表紙の柄や手触り、インクの香りなど様々な要素が含まれている。
もうすぐ1歳になるうちの子はなんでも口に入れてしまうが、本も例外ではない。
角はボロボロでページは折り目がついている。ただそのグシャグシャやビリビリにも意味があるのではないかと、できるだけ様子を見るようにしている。
五感を使った本の楽しみ方の究極系を見た気がする。
興味をそそられて手に取った本が、思いのほか難解で理解できない・・・! そんなとき、よく児童書に助けてもらっています。自分の知識不足は嘆かわしいですが、その度、児童書の分かりやすさに感動しています。
◆外商部おすすめの児童書・奈良本のご紹介◆
啓林堂書店ホームページ・外商部ページ( https://books-keirindo.co.jp/gaisyoubu/ )にて、更新中の「外商部おすすめの奈良本」「おすすめ児童書」をご紹介!
おすすめ児童書
『さくらのふね』
【小峰書店】きくちちき/作・絵
春です。 桜がひらひら舞って、 川でゆらゆら。 その花びらにてんとう虫が乗って、川を下って行きます。 友だちの蜂や蝶と一緒に、 春が来たよ、 と知らせます。
淡い色が暖かさを感じ、 森の鹿もダイナミックに描かれます。
ふもとの満開の桜が見開きいっぱいに広がって圧巻です。
外商部おすすめの奈良本
『古墳で読み解く日本の古代史』
【宝島社】
京極祥江/著4月11日発売予定
2023年1月、奈良県の富雄丸山古墳で過去に例のない銅鏡と剣が発見されたニュースは、考古学ファンを大いに興奮させました。果たして古墳はどのようにして現れ、なぜ突然消えたのか。『古事記』や『日本書記』に書かれた文字記録と古墳は、どこまで照合できるのか。本誌は、古墳に関する歴史的発見や学説をもとに、日本の古代史を考察します。
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