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「ことばのひみつ」に迫る! 2024.4.1

4月号 2024.4.1
啓林堂書店 https://books-keirindo.co.jp/

「ことばのひみつ」に迫る!

 本屋でなぜかトイレにいきたくなる現象を「青木まりこ現象」という。

雑誌に体験談を投稿した人の名前が、この現象の名前の由来だそうだ。

 

今回はことばの好奇心をくすぐる本をご紹介。「知れば知るほど好きになる ことばのひみつ」(高橋書店)。

全ページオールカラー、豊富なイラスト、読み応えのあるコラムと共に、多様なことばの謎に迫る内容となっている。

本書で紹介されていた例をいくつか挙げてみたい。

 

ペットを飼っている方も多いと思うが、これは犬にまつわる話。

明治時代、貿易のために多くの外国人が日本にやってきた。そのとき共に一緒に連れてこられたのが洋犬だ。外国人が洋犬をcome(カム)と言って呼ぶ様子を日本人が勘違いし、「イヌ」を「カメ」と呼ぶことがあったそうだ。間違いなく混乱が起きていそうなのだが、大丈夫だったのだろうか。

なお、家庭で犬を飼うようになったのは日本では明治時代から。当時はよほどのお金持ちでないと犬を飼うのは難しく、洋犬を飼うのは一種ステータスのようなものだったらしい。ポチ、ジョンなどお馴染みの名前を犬につけるようになったのもこの時期からだそうだ。

 

日本には北海道、東北から沖縄まで地域ごとに方言が存在している。

多彩な方言が誕生した経緯には、関所が大きく影響している。特に江戸時代は幕府が全国各地へ関所を設けたため、人々の移動に制限をかけた。このような環境にあったため、他の地域の言葉が入ることもなく、その土地独自の言葉がはぐくままれ、方言として発展していったそうだ。

 

バスタブのことを「湯船」と呼ぶが、文字通り、お風呂に入れる船が昔は本当にあったそうだ。

湯船が生まれたのは江戸時代。当時まだ水が貴重で、お風呂がついている家はほとんどなかった時代だ。特に市中と異なり、町はずれに住んでいる人々は銭湯にも気軽に行けなかった。そこで船で川を移動する「湯舟」が人々に利用された。

なお、市中の人は何度も銭湯に入れたことに由来して、ある言葉が生まれた。同ページ内で紹介されているので、ぜひ何という言葉なのか確認してみて欲しい。

 

「知れば知るほど好きになる」シリーズは、他にも「科学のひみつ」「算数のひみつ」が刊行されている。気になった方はそちらもチェックしてみてはいかがだろうか。

 

 

読むと、ことばがますます好きになる一冊。知ったそばから誰かに話したくなること間違いなし。おすすめ!

<今月の私の一冊>

 買い物をした際に発行されるレシート。コンビニではレシートはいらない、と断る人も比較的多いようだが、台湾では少しレシート事情が異なるようだ。

 昔はレシートを受け取る習慣のなかった台湾。だが、ある国の制度改革によって、レシートは必ずとっておくものとして人々の意識を大きく変えることになった。日本ではまずあり得ないその方法とは?

 他にも、「ジンギスカンはモンゴル料理ではない」「イタリア版生類憐みの令」「パキスタンの『ドラえもん』の放送禁止運動」など、興味深い100のテーマが紹介されている。世界各地の文化の違いや驚きの事実に迫る一冊!

ミニコラム「私と本」

≪今月の担当≫ ジュンク堂書店奈良店 社員 小川岳志

ずっと実家に置きっぱなしにしていた本を、今の住まいに運んできた。本棚や押し入れに入っていたコミック、小説、雑誌などをダンボールに詰めていくと十数箱になり、我ながらよく買ったものだと思う。中には存在を忘れていた本もあり、そういえばこんな本もあったなと思いながら、その場で読んでしまいそうになったが、それをしてしまうと永遠に作業は終わらないので、箱詰めに専念し、なんとか無事に作業を終えることができた。あとは、部屋に積み上げられたダンボール箱を開けて整理するという作業が待っているが、それに手を付けるのはまだ先になりそうだ。

 

Chat&Chat

 あの本が気になる、この本も気になるとお店の中をうろうろ。エッセイもあれば学術文庫もあり、児童書もあり・・・私の選び方は基本雑食です。

 おすすめの本をチェックして書店に入ったはずが、気づけば予定外の本ばかりを持ってまたレジに並んでいます。

◆外商部おすすめの児童書・奈良本のご紹介◆

啓林堂書店ホームページ・外商部ページ( https://books-keirindo.co.jp/gaisyoubu/ )にて、
更新中の「外商部おすすめの奈良本」「おすすめ児童書」をご紹介!

おすすめ児童書

うちのピーマン

【アリス館】

川之上英子/文 川之上健/文 柴田ケイコ/絵

  今日のお昼ご飯は野菜炒め。冷蔵庫にあったピーマンを取り出すと、なんと! ピーマンがしゃべりだしました。

 「切ります? やめたほうがいいんじゃないかなー」

 どうもピーマンは食べられたくないみたいです。あの手この手で食べられるのを阻止しようとします。

 ピーマンといえば、嫌いな子のための話かと思いきや、ピーマンが食べられるのを嫌がる話なんです。

外商部おすすめの奈良本

奈良観光乗物案内

【ユニプラン】
ユニプラン編集部/編

 史跡や国宝が多数現存し、日本有数の観光名所として知られる奈良公園。興福寺、東大寺、春日大社といった古代からのたたずまいを残しつつ、生息するシカや自然との調和も美しい、日本を代表する公園です。

 本書はそんな奈良公園の魅力を、17のテーマでひも解く一冊。歴史や文化を深く知ることで、これまでとはひと味違うディープな散策を楽しめます。

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