奈良時代の都・平城京は、政治の舞台の平城宮を中心に一〇数万もの人々が暮らす場であった。有能な役人を養成する大学や後宮に勤める女性官人の姿や、役人の勤務評価や休暇の実態などはいかなるものだったのか。税金や物資の流通、治安警備、軍隊や騎馬、酒造り、祭祀、疫病流行などのトピックから都に暮らした人々の日常をいきいきと再現する。