ジュンク堂書店奈良店スタッフおすすめ [パートのC.Iさん]
【数多登場するねこ助さんの虎のイラスト、眼福です!】
世にも美しい文章とストーリーに心奪われ、なんだかんだで毎年読んでしまう儁逸(しゅんいつ)なヘビロテ作品が『山月記』です。
人間でありたいと願いながらも、虎に成り下がろうとしている李徴の尊大な苦悩が大層娟秀(けんしゅう)なのです。姿を見せない李徴が語れば語るほど、李徴の苦悩が美しく浮かび上がるのです。最後に友人に見せる気高き虎の姿もこの上なく美しい。
今回は中島敦の原作にねこ助さんの嬋娟(せんけん)な虎のイラストを加えた画集風の変わり種を選びました。
興味のある方はぜひ手に取って魅惑の世界を耽溺なさって下さい。
残月に彩られた虎への変身譚に心誘われることでしょう。
乙女の本棚15