全国で学問の神として祀られる菅原道真。累代の儒者の家に生まれた彼は、なぜ政治の世界で異例の出世を遂げたのか。また、なぜある日突然、大宰府に左遷されることになったのか。三善清行との確執や阿衡(あこう)事件で果たした役割、遣唐使廃止に至る真相など、さまざまな側面から等身大の道真像を描き、“神”の真の姿に迫る。
<目次>
天神様の正体―菅原道真の生涯…森 公章/土師氏の願い―プロローグ/父祖たちの足跡(土師氏の歴史〈伝承の時代/氏人の活動/負名氏としての土師氏/土師氏と喪葬儀礼/氏人の多彩な活躍/菅原の地との関係〉以下細目略/曽祖父から父まで)/道真の立身(対策及第まで/文章博士として/讃岐守時代/阿衡事件)/政治への参加(寛平の治/寛平度遣唐使計画/宇多朝から醍醐朝へ)/左遷と死、そして天神様へ(昌泰の変/道真の死と怨霊から天神へ)/その後の菅原氏―エピローグ/関係人物略系図/菅原道真略年譜