たび重なる災害、戦乱にも失われることなく、創建以来の優美な姿が伝えられてきた、国宝薬師寺東塔。十二年に及ぶ大修理事業が企図され、全解体、再組み立てがこのたび完遂し、建築当初の姿を取り戻した。建築史、年代学、美術史、考古学、歴史材料学、伝統建築保存に携わる専門家らが解体修理の過程で見出した、貴重な知見をわかりやすく説く。