11月号 2023.11.1啓林堂書店 https://books-keirindo.co.jp/
何だかファストフード店のメニュー表は見づらい気がする、どうして楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうんだろう? 日頃ふと浮かぶけれど、誰に聞いたらいいのか分からない・・・そんな素朴な疑問の数々に、東大のエキスパートたちが挑む。
今回ご紹介する本は「素朴な疑問VS東大 「なぜ?」から始まる学術入門」(KADOKAWA)。東大広報誌「淡青」で好評だった特集が書籍化されたものだ。
本書では様々なジャンル41のQ&Aを紹介する。中には専門的な回答を含むもの、現在進行中で問題を解明中のものなども含むが、それも研究の第一線を知れる醍醐味として感じられるはずだ。
様々な疑問のなかで、私が一番素朴に感じられた質問はこちら。「どうして利き手と非利き手があるの?」
右も左も同じように使えれば便利なのに、と何度も思ったことがあるが、どうやら利き手と非利き手にはそれぞれ別の役割があるようだ。
こちらの回答は“二つの手をうまく協調させて動かすため”。
一般的には利き手の方が非利き手に比べて筋力も制御能力も高い。だが、それだけで非利き手が利き手よりも劣っていると判断するのは時期尚早。なぜなら非利き手は利き手に合わせて自身の運動を調整し、補助することを得意としているからだ。なお、興味深いことに、非利き手を利き手が補佐することはないそうだ。
利き手、非利き手それぞれに特化した運動のおかげで、人間は両手を使った複雑な運動をこなせるのである。
冒頭の例に挙げたなぜか見づらいメニュー表の謎は、「マクドナルドのメニューはどうして見づらいの?」の章で解説されている。
安いサイドメニューは、基本カウンター前の小さなメニュー表でしか確認できない。自分の番が回ってきたときに、後ろで待っている他のお客さんの様子を気にしながら慌てて注文、結局セットを頼んでしまった・・・そんな経験に覚えのある方も多いのではないのだろうか。
これは企業側の戦略。売りたいものを前面に押し出して、安いメニューをあえて見づらくしているのだそう。カウンターで注文しているときのお客の心理状態も企業は折り込み済みだそうだ。
ならばお店が空いている時間にメニュー表をしっかり眺めて注文すればいいのだろうか・・・そんな対抗意識が少し芽生えてしまった。
他にも、「どうして疲れると眠たくなるの?」「「あいうえお/あかさたな」の順なのはどうして?」「人工衛星はどうして落ちてこないの?」など、気になる質問がずらりと並ぶ。
最前線の研究内容に触れる環境問題の話なども興味深い。まずは気になった章から、読み進めてみては?
「それ全部「pH」のせい 虫歯から地球温暖化、新型コロナ感染拡大まで」
【青春出版社】
齋藤勝裕/著
小学生の頃、リトマス試験紙の実験で、試験紙の色が赤から青、青から赤に変化する様子を様々な溶液に浸して観察したのを覚えている。
pH7の中性を基準に、値が7より小さければ酸性、大きければアルカリ性と区分されるわけだが、pHを意識して普段生活をしている方はほぼおられないだろう。が、少し日常を見渡してみると、私たちの生活にはpHに関わるものが多く存在していることに気づく。
例えば色付きスティックのり。塗ってしばらくすると青色から無色透明に変化する便利なものだが、この反応にはpHが関わっている。髪を染めるヘアカラーもpHによる髪の性質の変化を利用したものだ。
私たちの日常に関わるpHは何も酸性雨だけではない。日常に潜むpHとの関わりを、ぜひ本書で確認してみて欲しい。
≪今月の担当≫ 商品部 部長・郡山店 店長 佐藤篤志
「趣味は何ですか?」と聞かれたら、読書と答えるだろう。しかし、一年間で本を購入することはほとんどない。昔に買った小説が無性に読みたくなり本棚から引っ張りだし、気に入った箇所を飽きることなく読み返す、かなり偏った読書癖だと自分でも理解しているが、思い出すとどうしても読みたくなる。教養を身に着けるとか、知識を増やすような読書は出来ないのだが、今後も「趣味は読書です」とはっきり答えるだろう。
先日、新刊コーナーをうろうろしていた際、「このあたりの本はもう全部家にあるし、お父さん読んじゃったでしょう?」と何やら衝撃的な会話が聞こえてきました。見てみると仲睦まじそうな老夫婦が、新書を手に取りながら楽しそうに会話をされています。どうやら旦那さんの読まれる本を探しに来られたようなのですが・・・新書の新刊全部? 流石に好きなジャンルの新刊全部ってこと? どちらにせよすごい・・・
別の棚から新たな本を1冊手に取って、嬉しそうにレジへ向かわれる背中を見送りました。いつもお買い上げ頂き、ありがとうございます。
◆外商部おすすめの児童書・奈良本のご紹介◆
啓林堂書店ホームページ・外商部ページ( https://books-keirindo.co.jp/gaisyoubu/ )にて、更新中の「外商部おすすめの奈良本」「おすすめ児童書」をご紹介!
おすすめ児童書
『落ち葉』
【福音館書店】平山和子/文・絵 平山英三/構成・写真
秋がすすむと葉は色づき散り始めます。
落ち葉に魅せられた作者が、一枚一枚丁寧に描きます。
いろいろな種類の木の葉が様々に色づいている様子はとても美しいです。
自分で拾った落ち葉と比べてみたり、絵を描いてみたり、この季節にしかできないことをやってみよう。
外商部おすすめの奈良本
『発見! ほとけさまのかたち』
【河出書房新社】奈良国立博物館/著・文・その他11月27日発売予定
「ほとけさま」のポーズやファッションに注目し、その不思議に迫る! 平易で親しみやすい文章と豊富な図版で、子どもから大人まで楽しめる。奈良国立博物館による仏像入門の決定版!
お問い合わせ窓口
問い合わせフォーム https://books-keirindo.co.jp/contact/本のご予約・ご注文承ります。ご意見・感想・ご要望などお待ちしております。
発 行 (株)啓林堂書店
〒639-1007 大和郡山市南郡山町527-13 TEL/0743-51-1000文 責 (株)啓林堂書店
〔外商部〕 上田輝美啓林堂書店 ホームページ
https://books-keirindo.co.jp※本メールの無断転載を禁じます。
Copyright (C) 2020 Keirindo Shoten. All Rights Reserved.