米を茶で炊いた「茶粥」は、奈良では郷土料理として古くから親しまれてきました。一方、江戸時代、明暦の大火後の江戸で爆発的に「奈良茶飯」と称されるものが人気を博し、それは西日本へも逆輸入されるにいたり、茶飯を食するための器として、蓋付きの茶碗が考案され、それは「奈良茶碗」と呼ばれました。これまであまり注目されることのなかった茶の文化を、歴史・民俗・文学などの視点から読み解いていきます。