◇◆◇ 著者からのコメント ◇◆◇
国宝指定された仏像の数では奈良県にあるものだけで全国の半数を超えるそうです。
次いで多いのが京都府です。この2府県に日本を代表する仏像がほとんど揃っているわけです。
本書はこうした京都と奈良の仏像の中から特にこれだけは見ておいた方がいいと言う仏像を取り上げました。
ほとんどの仏像は完成当初は金ピカだったり、派手な色が塗られていたりしたものです。
それが数百年、千年後の今日、塗装の剥落したままにされているのは、仏像の無常観を仏像が身をもって表していると言えるでしょう。
仏像は仏教の理念を表現するために作られたものですが、はじめはそんなに難しいことを考える必要はありません。
知識なしに仏像のお顔をじっと見つめるだけでも、何か心に響いてくるものがあると思います。
仏像の背景を知るのはそれからでも遅くないでしょう。
本書が仏像について興味を持たれた方の一助になれば幸いです。
福岡 秀樹