607年、日本は隋の煬帝に「日出ずる処の天子」で名高い書状を送る。以後、対等の関係を築き、中国を大国とみなすことはなかった――。こうした通説は事実なのか。日本はアジア情勢を横目に、いかなる手段・方針・目的をもって中国と交渉したのか。本書は、倭の五王から、5回の遣隋使、11回の遣唐使、さらには派遣停止後まで、500年間に及ぶ日中間の交渉の軌跡を「常識」に疑問を呈しながら、実証的に描く。