時は937年。己の音楽を究めんと、幻の師を追い、京から東国へ下った仁和寺の梵唄僧・寛朝。そこで彼は、荒ぶる地の化身のようなもののふ・平将門と出会う。やがて時代の混迷と戦場の「音」が、何もかも隔たった二人を強く結びつけていく――。 『若冲』『火定』の俊英が武士の世の胎動を描いた、魂の咆哮とどろく歴史雄篇!